今日の山中節 日本合唱界の父の山中節 その5

この話の続きです↓
今日の山中節 日本合唱界の父の山中節 その1
今日の山中節 日本合唱界の父の山中節 その2
今日の山中節 日本合唱界の父の山中節 その3
今日の山中節 日本合唱界の父の山中節 その4

「山中節」と一口で言ってもそれは多種多様。
民謡の枠を超えて、古今東西多くの演者によってさまざまなスタイルに形を変えて今日まで歌い継がれてきました。
これまでにも色々なジャンルの山中節をご紹介してきましたが、今回は音楽家辻正行氏と合唱による山中節をご紹介しています。
今日はその5回目で最終回。前回は、辻正行による山中節の採譜について書きました。

辻正行先生”ほほえみをありがとう”コンサート / 日本アコースティックレコーズNAR-2008~9
今日の山中節 日本合唱界の父の山中節 その5_a0041925_22153746.jpg

日本合唱界の父と言われた辻正行氏は、2003年11月1日、惜しまれつつ逝去されました。
その翌年6月13日、東京文化会館にて追悼コンサート『辻正行先生 “ほほえみをありがとう”コンサート』が、
彼を師と仰ぐ弟子や親交のあった音楽家たちにより盛大に催されました。
出演者は総勢500名あまり、ゆかりのあった楽曲でステージを盛り上げます。
そしてコンサートは終演、カーテンコールに道場六三郎氏が登場します。
歌唱の前に、辻氏との幼少の思い出話を。ふたりは、「まあちゃん」「六ちゃん」と呼び合う竹馬の友。
ご近所に住み、よく遊んだエピソードを楽しく語ります。
そして、最後に2人の故郷山中温泉の唄を捧ぐということで、山中節を歌われました。
音程は少しばかり外してはいるものの、辻氏への想いが詰まった温かい歌声に満員の客席からひときわ大きな拍手が送られました。

「ぼくは裏日本に生まれたことを誇りに思っています。そこには、失われていく日本の美しいものがまだまだたくさん残されています。行き詰まるたび山中に立ち返るのも、そこが僕の人生の原点だからです」(辻正行さんのコーラスこそわが人生 清流出版より借用)
71歳の生涯を音楽に捧げ、日本合唱界に偉大な功績を残した辻正行氏。
幼少の頃、置屋から流れる芸妓たちの山中節を聴いて育った彼が、後に世界へ飛躍するも、
常に山中節の振興を願い、発展に注力し、我々に大きな足跡を遺してくれたことに感謝をして、この章を終えたいと思います。

by choraku | 2021-04-17 00:26 | 今日の山中節

北陸山中温泉のネタをだらだらとアップしてます。どうぞよろしくお願いします。


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