今日の山中節 一枚の絵を探してみた その1
2022年 07月 26日
山中節の起源について、広く定説になっている北前船説。
山中芸妓組合のサイトを引用すると、
『日本三大民謡のひとつと数えられる「山中節」は、元禄の頃から唄われ始めたと伝えられています。
日本海を往来した加賀の北前船の船頭さんが、習いおぼえた北海道の松前追分や江差追分をお湯に浸かって口ずさみ
それを聞いた浴衣べが、山中なまりで真似たのが「山中節」の始まりと言われています。』
↓山中温泉の中心 菊の湯の横に、『山中節発祥之地』の碑が建っています。
あまり目立たないので、気付かない方もいるのでは?

『今日の山中節』は、その浴衣べが描かれた日本画についてです。
手元に、大正3年に発刊された『文部省第八回 美術展覧会図録 日本画之部』があります。
ちなみに、文部省美術展覧会とは、現在の日展の前身で明治40年に創設された文部省主催の総合的な美術展覧会です。
この書には、大正3年に開催された第八回美術展覧会 日本画の部に出品された作品が掲載されています。

実はこの展示会には、山中温泉出身の日本画家 広田百豊の作品『山中の湯』も出品されており、
山中節の一節
♪ゆかた肩にかけ 戸板にもたれ 足で呂の字を書くわいな
歌詞の世界観そのままに、菊の湯の入口で浴衣を肩にかけて浴客を待つ少女(べ)の姿が生き生きと描かれています。
と、いう事で、この話はもう少し続きます。
by choraku
| 2022-07-26 21:03
| 今日の山中節