今日の山中節 一枚の絵を探してみた その2

この話の続きです↓

前回のブログでは、山中温泉出身の日本画家 広田百豊が、大正3年に開催された第八回美術展覧会に
浴衣べを描いた作品『山中の湯』を出品したってお話を書きました。
今回は広田百豊のプロフィールをご紹介したいと思います。

日本画家 広田百豊 (広田才一郎)
明治9年~昭和30年
山中村に生まれ、叔父で旧大聖寺藩士広田亥一郎の養子となり大聖寺で育ちました。
ちなみに、出生地が山中温泉のどこなのかは、調べましたがわからず…。
教員免許を取得し、塩屋・山中・大聖寺の小学校の教壇に立ち、後に京都へ転出し教職を続けるも、しばらくして辞職。
そして、明治44年に近代日本画の開祖と称される竹内栖鳳に師事します。
同年、第5回文部省美術展覧会(文展)に 「厩」を出品し、文部大臣賞を受賞。
以後、第10回文展まで連続で入選を果たしています。
百豊は、人物画や動物、風景の描写に優れており、特に、郷里の女性や風景をモチーフにした作品は、極めて高く評価されております。
浴衣べを描いた『山中の湯』もまさにそのひとつと言えます。

2015年、山中節に造詣が深い医王寺の鹿野住職さんが、
山中節の資料を常設展示できるスペースを山中座に作るプロジェクトを始動。
私もお手伝いをさせていただきました。
今日の山中節 一枚の絵を探してみた その2_a0041925_22205497.jpg

↑ここには、初代米八の功績を称える資料の数々や愛用の三味線の他、山中節に関わる資料などが展示してあります。

その展示スペースの左側、『伝統芸能 山中節 発祥と歴史』コーナーのなかで、
『ゆかたべー』の説明パネルに百豊の『山中の湯』を使わせていただいております。

今日の山中節 一枚の絵を探してみた その2_a0041925_22205674.jpg

当時、この説明パネルを製作中にプロジェクトリーダーの住職さんが、
「この絵画は山中節を語るうえで大変貴重なもの。いつかパネルではなく現物を山中温泉に飾りたい。
ただ、どこにあるのか、誰が所有しているのか全くわからない」と仰っておりました。

という事で、この話はまだ続きます。


by choraku | 2022-07-30 22:30 | 今日の山中節

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