山中弁の清少納言の巻

この話の続きです↓

2020年に、山中温泉の方言をまとめた冊子についての記事を書きました。
とても面白い内容で、ブログのネタ探しなどで、愛読しております。
そのプロジェクトに関わった池上弥さんが新たに面白い書籍を発行したとの事で、さっそく送って頂きました。
それがこれ↓
『山中温泉界隈の伝承ばなしと山中ことば古典三大随筆』(池上弥、池上宏 著)

山中弁の清少納言の巻_a0041925_22492828.jpg
内容は第一部と第二部がありまして
第一部は山中温泉界隈の言い伝え的な話↓
山中弁の清少納言の巻_a0041925_22492937.jpg
第二部は古典三大随筆「徒然草」「方丈記」「枕草子」の山中弁での方言訳。
これが結構面白いんです。
たとえば清少納言の「枕草子」

原文は
頃(ころ)は 
正月、三月、四五月、七月、八九月、十月、 
十二月。 
すべてをりにつけつつ。一年ながら、をかし。

これを山中弁に訳すと
 時期でゆうたら 
正月、三月、四、五月、七月、八、九月、十月、 
十二月なんかが好きなんやけど・・・ 
ということは、ほとんどの月やがいね。結局、その時その時で一年中趣があるってことやわ。


原文は
夏蟲いとをかしく廊のうへ飛びありく、いとをかし。
蟻はにくけれど、軽びいみじうて、
水のうへなどをただ歩みありくこそをかしけれ。

これを山中弁に訳すと
夏虫はてんぽにイケてます。本の上なんかを飛び歩いとるの、えちゃけやわぁ。
アリはね、イライラするけど、身軽さはてんぽなもんや、
水の上なんかをドンドン歩き回っとるがが、イケてます。

山中弁にすると、一気に近所のお姉ちゃん感が全開です(笑)
清少納言が湯の本町商店街を歩いていても違和感がありません。
学生の頃にこれに出会っていれば、古典の授業が嫌いにならなかったかも。

って事で、今ならこの冊子を送料のみ負担すると送ってくれるそうです。
ご興味のある方はぜひ
詳しくはこちらのサイトをチェック↓


by choraku | 2025-02-08 23:24 | 山中温泉

北陸山中温泉のネタをだらだらとアップしてます。どうぞよろしくお願いします。


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